2012年12月25日

ソロモンの偽証Ⅲ



読み終わった。中学生が学校の屋上から落ちて死んだ。その原因を自分達で知ろうと学校内裁判を行う。大人の社会では闇の中に葬られてしまって、解らないまま過ぎ去ってしまう心の事実を解き明かす。いろんな障害にも素直な心で立ち向かって、めげない青春のページを積み重ねていく。まさしく、今の子供達に伝えたい物語です。自分で考え、自分で行動して、自分なりの最善を尽くしてみること。間違っていたらごめんなさいと謝ること。そして修正しながらも最後までやり通すjこと。これは青春だけではなく、自分自身の現在にも言えることです。宮部が衰退したなどとの評が有ったけど、宮部が貫いている事にはブレが無いと思いました。
 右は今月号の芸術新潮の特集で「はじめて見る能」です。内田樹と安田登さんの曲目紹介はいつのまにか本筋を語っています。どのページの写真も唸らせるほど美しい。西洋の芸術は立体的にパースペクティヴに時間の積み重ねまで表現していますが、日本の芸能は二次元的な表現と過ぎ去る時間の無常の美学に基づいた抽象を加えていると僕は思っています。随分偉そうな事を書いてしまいました、ゴメン。見開きページに小癋見(コベシミ)の面が載っています。いいですねー。  


Posted by 新茶 at 09:24Comments(0)