2013年01月16日
感銘を受けた本
「ひらがな日本美術史」橋本 治:著 新潮社である。何年か前に読んだのだけれど、近頃又読み返している。日本画に関することが日々多くなっているからだと思う。この本は1から7まである。芸術新潮に連載されていいたものを7冊に、年代別に纏めて、橋本治の日本画に対する切り口を開示しながらも、極めて平易に感想を聞かせてくれる。今まで取っ付き難かった日本画がなんて素晴らしい絵なんだと気付かせてくれたのはこの本でした。自分の興味の無いものはどれも同じな、ある類型に纏めてしまって、知ったかぶりに、あーあんなもんでしょ的な処理をしてしまうものですが、そんな不遜な態度は微塵もなく粉砕されて全く素直に美、いや芸術に触れさせてくれます。まず形式的な見方はせず、作家がなぜ、なにを画こうと、なにを創ろうとしていたのか、です。なにを表現したかったのか。自由の入り口である美術芸術で何にもがきなにを乗り越えたのかなにを探したのか、という問にはこの美術本は明快に答えてくれました。この本に取り上げられているものの何がスゲー事なのかも教えてくれます。で、読んだ後には立派な評論家になってしまいます。1番からじっくり7番まで読んで下さい。図書館出借りて読んでも、多分手元に欲しくなることは確実です。
Posted by 新茶 at
15:46
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