2013年01月17日
声に出して
「声に出して読みたい日本語」齋藤孝:著 草思社
高校は工業系で、大学が理系なので、古典国語を正規の授業として受けたのは、指で数えられる程しか有りませんでした。今思えばあの古典の授業を担当していた先生は、さぞ無念な思いでソフトボールに変えてしまったんだろうと察します。本当は日本の古典はこんなにも素晴らしいけど、まだわかんねーだろう、そのうち解ればいいや。今のこいつらは頭より肉体だからな。って思っていたのでしょう。私は五十を過ぎてからこの本で気付かされました。若い時に触れていたとしても、気が付かない奴はずっと気が付か無いんでしょう。でも若い時に学んでいれば素晴らしい財産ですね。
小中学校の声を出して暗記して覚えた方法が、体に染みついて、知らぬ間に口ずさんでいたこと。繰り返して、身体化されたリズムが美を習得するための一番の方法なんですね。森有正の経験に近いところがある。体験でなく経験。芸能もその通りですね。そして暗記するとその言葉が得意、エキスパートの範疇に入る。「任しておきなさい」になるわけです。実際にはまだまだ奥深いものがあるんでしょうが。一時は得意げになれます。1~3まであるけどどの本に立派な文が載っているから、随意に開いて読んでみて欲しいです。因みに私は「枕草子」から始めました。俳句や短歌も風呂の中で語ってみると日本っていいなー。ゴクラク、ゴクラクってのを実感します。「寿限無」なんぞは落語として覚えたいですね。粋な遊びにも転化できる文学なんです。もう古いって言わないで、忘れないようにずっと続けよう。
Posted by 新茶 at
15:10
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