2012年07月12日

雨で憂鬱


松本清張(中)を読んだ。この清張の面白さは、動機って書いたけど、人の万人の心理を知り抜いていることだろうと思いました。自分だけにしかこの気持ちはないだろうと思っている邪悪なバカげた気持ちを、皆だれしも持ち歩いているってこと。読まれていないだろうと思っていることも他人にはお見通し、それが書かれているから、気が重たくなって中断してしまったりする。逆にそれが面白みになるのだ。解った風だねえ。でも何故あの時あんな行動をしたんだろうっていうのが、いつもの感想だけど、多少事件の展開が読めているから言えるんだ。自分の行動はなんてバカなんだろうと思うことばかりなのにね。愚行の人生。訂正不能の人生。
 大津のイジメは少し進展していますが、まだわかりませんよ。知ってるけど隠蔽(シランフリ)は戦後の日本の恥ずかしい術ですから。えせ民主主義もこれがなくっちゃここまで生き延びられなかったんです。シランフリの亡霊はまだまだ成長するかもよ。現実の怖さに比べたら清張の語る悲劇も物語、故に読めるのだ。
 梅雨時は風情が無くなったね。ツバメも道路を低空飛行しても、車にぶち当たって、雨に晒されてせつないね。憂鬱を振り払える何か笑えるものを探します。  


Posted by 新茶 at 09:17Comments(3)